自然道楽
日本の住宅に「庭」が登場したのは室町時代と言われるから、日本人と庭との関係はかなり深い。庭石、庭木戸、庭山、庭伝いに隣家を訪ねる…などの風情ある言葉もいつのまにか忘れ去られてしまつた。
昭和30年代からマンションという集合住宅が登場し、アッという間に日本の都市型住宅が主流になった。都市に住む日本人の多くが「庭」を失った。その結果、日本の文化が大きく変わったことは確かである。だが、日本人の国民性と庭との関係をじっくりと考える余裕さえ持たなかったのが戦後の日本でもある。
趣味の庭いじりができなくなったとか、自然を感じることがなくなったとか単に情緒的問題にとどまらない。それより、重要な点は「コミュニティ」が失われつつあることではないか。鉄の扉と厚い壁で隔てられたマンションでは、隣人との交流は簡単に喪失する。
コミュニティの喪失にとどまらず、家庭での親子の会話が少なくなってしまったのも、「庭の喪失」と関係がありそうだ。親と子の会話は、子どもが小さいうちから親と同じ作業をすることで自然に生まれてくる。庭は、家族が一緒にレジャーを楽しめる最も身近な自然でもあったのである。庭で自然と楽しむ“自然道楽”が蘇る。
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