■世界の消費税事情
世界の消費税はどのようになっているのでしょう。上の表は各国の一般税率と住宅取得にかかる所得税率を表しています。全体を見比べてみると、住宅取得に対して消費税(付加価値税)をかけている国は少なく、課税していても2~4%程度と低い税率です。欧米各国では住宅政策上、住宅取得の所得税の扱いに配慮がみられますが配慮されていないのは日本だけなのが明確です。そのため、住宅取得にかかる消費税は現行の5%で据え置くべきであるという議論も実際に起きています。しかし、現実的には「住宅取得にかかる増税の据え置き」という可能性は低いでしょう。日本の財政健全化のために税収を上げるならば、住宅取得の増税は税収アップの大きな要因となるからです。
また、1997年の消費税引き上げ前に住宅の駆け込み建築が起きたように短期的には景気対策につながるという側面もあるため、住宅取得にかかる消費税の増税は避けて通れません。増税の議論でまず考えるべきは、住宅取得に対する消費税も同時に引き上げられるか、それとも据え置きになるかがポイントとなってきます。
■増税で変わる総額
5%、8%、10%、増税されると、住宅購入時にはどのくらいの費用の変化があるのでしょうか。
金額が大きいわりに、消費税がかからないものの代表は土地です。これは、住宅などの建物は消費しても、土地は消費しないという考えから非課税となっています。具体的な例をあげてみましょう。2,300万円の土地を購入して、2,000万円の建物を建てるとき、このような金額になります。
土地 2,300万円
建物 2,000万円
消費税 100万円
(2,000万円×5%)
総額 4,400万円
建物の金額にかかる消費税を見てみると、5%だと100万円の消費税が8%になることで、160万円になり、60万円の値上がりになります。10%の消費税になると、総額で100万円の値上がりです。同じ金額の家を建てても、これほどまでに全体の金額に差が出てくるのです。
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