住宅の近代化とともにクロスに主役の座を奪われた塗り壁ですが、刷毛、コテやローラーなどで表現される豊かな表情はクロスでは得がたいものです。また最近では健康への配慮や自然志向から見直されつつあります。塗り壁は使用される素材によって消臭性能や調湿性能、また防音や断熱性能等様々な効果が有ります。中でも特に人気なのは漆喰と自然素材を利用した土壁の一種、珪藻土でしょう。
伝統の漆喰
漆喰の原料は石灰石です。石灰は壁材の他にも黒板のチョークやグラウンドに白線を引く用途として使われてきた私たちの生活に身近な物です。誤って吸引してしまっても、アスベストのように結晶が尖っていないので大量に吸い込まない限りは安全です。白い町並みで知られるイタリアのオストゥーニのように石灰岩からなる消石灰を壁材として使用すること自体は海外でも見ることができます。しかし消石灰に砂と糊等を混ぜ、ひび割れを防ぐ為に麻等の繊維質を加えて水で練り上げた、滑らかで美しい表面を持つ漆喰は日本独自の工法です。
白鷺城と呼ばれる姫路城を始め、日本のお城の白い壁や各地に多く残っている蔵の壁もこの漆喰で仕上げられています。室町時代末に奈良の信貴山城を訪れた宣教師、イスマン・ルイス・ダルメイダは「それは今日までキリスト教国において見た事がないほど清潔な白い壁であり、世界にこのような美しいものが多くあるとは考えにくい」といった所感を残しています。
このように日本の伝統として長く受け継がれてきた漆喰ですが、施工手間がかかることや技術が要求される為に高コストとなること、また地震等の強い力が加わるとヒビが入ってしまうといったデメリット等からクロスに押され、嫌遠されるようになりました。
しかしながら「天然の空気清浄機」と呼ばれる程調湿性に優れており、また防火性、消臭性等優れた機能を持っています。さらには漆喰は強アルカリの成分からカビも生えにくく、インフルエンザのウイルスにも効果があると言われています。これはインフルエンザウイルスのまわりを覆う、エンベロープという塗膜を強アルカリ成分が溶かし、ウイルスを死滅させるからです。
Monthly HABITA 083号より
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姫路城といえば、先週兵庫へ行ったときに、姫路城見てきました。
建築の業界で働いてから、建物を見るのが楽しくなりました
他にも大阪城とかも見てきましたけど、漆喰の壁は美しかったです!!
新築を考えている方も、自分たちの住宅の建築に参加することによって
建物の見方が変わるかもしれませんね
それにしてもあんなおっきいお城を建てた昔の職人さんたちはすごいなぁ~
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